太陽光発電の除草作業はいくら?雑草に効果的な6つの対策方法!

太陽光発電所に雑草が繁茂すると、発電事業や周辺の農地、住民に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、設備を設置した後は周囲を注意深く観察し、状況に応じた雑草対策を実施する必要があります。今回は、雑草が太陽光発電事業に及ぼす影響や除草の方法、除草にかかるコストについてご紹介します。雑草が原因で発生しやすいトラブルもありますので、ぜひ参考にしてください。

さらに、除草の頻度やタイミングについても解説します。太陽光発電事業で安定した収入を確保するためには、どのような雑草対策が必要かを抑えておきましょう。

雑草が太陽光発電施設に与える悪影響やトラブルの事例

太陽光発電への雑草の影響は収入や利益にも大きな影響を及ぼします。加えて、雑草が原因で近隣との問題が生じる可能性もあります。この文書では、雑草がもたらす悪影響やトラブルの実例を交えて詳しくお伝えしますので、ぜひご参考にしてください。

収入や利回りに与える影響やトラブルの事例

機器周辺に生える雑草が増えると、太陽光発電事業に重要な影響が出ることを把握しておきたい。最初に、雑草が増えると太陽光パネルに日陰ができ、発電量が減少することにつながります。それに、雑草の除去に伴う費用増加はコストを増やすため、収益が減少します。このような場合は、雑草が収入に直接影響を与える例と言えます。雑草の除去作業中には、草刈り機が送電ケーブルやアレイ(モジュールを複数枚つないで架台に設置したもの)などの設備に損傷を与えてしまうこともあります。

雑草でフェンスの通気が悪くなると、風が通り抜けなくなり、フェンスが崩壊するリスクも高まります。そのほか、雑草によって動物が潜むことがあり、太陽光パネルを損傷する事例も報告されています。雑草がパワーコンディショナー内部まで侵入すると、故障や不具合の原因になる可能性もあります。このような間接的な影響もあるため、太陽光発電事業において雑草対策は不可欠であると認識しましょう。

近隣の農地や住民への影響やトラブルの事例

近隣にお住まいの方々や周辺への影響やトラブルの実例を忘れてはいけません。たとえば、敷地内の雑草が周辺の農地や道路まで広がると、直接的な被害を引き起こす可能性があります。雑草による間接的な影響として、雑草に隠れて動物が住み着き、近隣の作物を荒らす事例が起こることもあります。また、適切な雑草の処理を怠ると、害虫が発生し近隣の住民から苦情が寄せられる場合もあります。


除草剤による影響で、周囲の作物に損害が出る事例もあります。土地を借りる際には、契約に除草剤の使用が禁止されていることもあるので、確認することが重要です。

太陽光発電における除草方法と費用の目安

太陽光発電において、除草を怠ると、さまざまな悪影響が生じます。まずは、発電量の低下です。太陽光パネルにわずかな影があるだけでも、発電量が低下してしまいます。最悪の場合、パネルに雑草が生えると、ただ雑草1本でも発電量が3分の1まで低下する可能性が。さらに、影が生じると「ホットスポット」という高温部分が発生し、パネルの故障につながります。悪影響は影だけではありません。

パネルの下に生える雑草もパネルの故障に繋がります。パネルの裏面には、樹脂シートであるバックシートが貼られており、このバックシートは衝撃や圧力に弱いため、パネルの内部に傷をつけてしまい、故障を引き起こす可能性があります。特に竹や笹など硬く尖った植物は、バックシートを突き破り、パネルを損傷させる恐れがあるため、注意が必要です。太陽光発電にとって、除草は欠かせない大切な作業です。除草の方法や費用の目安についてご紹介します。

草むしり・草刈り

草むしりは DIY で手軽に行える作業です。根元をしっかりと掘り起こすことで、効果的な除草が期待できます。草刈り機を使用すれば、広い範囲の雑草を簡単に処理できます。専門のメンテナンス業者に依頼すると、1㎡あたり200円~300円の料金がかかります。草の処分費用は1㎡あたり200円程度です。

除草剤

除草剤は、「現在生えている草」と「今後生えてくる草」の両方に効果があります。1㎡あたりの除草剤の費用は100円から200円程度です。
効果が永続するわけではないため、除草剤を定期的に散布する必要があります。

防草シート

防草シートは、土に直接敷くことで日光を遮断し、雑草の生育を防止します。品質の悪いシートだと2〜3年で破れたり、適切な張り方をしないとシート同士のすき間から雑草が生えてくる可能性があります。また、経時的に風などで土がシート上に積もると、上手に敷いていても雑草が生えるおそれがあります。防草シートの価格は1㎡あたり400円から2,000円程度で幅があります。効果を長期間続けたい場合は、少々高価なシートを選ぶことをおすすめします。

砂利

砂利の利用により雑草の管理負担が減少し、費用は敷地の広さや砂利の種類、大きさ、設置費用によって異なりますが、一般的に1㎡あたり1,500円〜6,000円程度です。
砂利を長期間敷くと土地と混ざったり、雨で流出する場合があり、追加の砂利を敷く必要性も生じることがあります。

コンクリート

コンクリートを使用して防草対策を行う場合、効果は高く、手入れが不要です。ただし、費用は1㎡あたり5,000円~10,000円ほどかかるため、高額となります。また、土地を整備する必要がある場合は、追加費用が発生する可能性もあります。

架台を高くする

架台の高さを1〜1.5mに調整することで、雑草の影響を軽減する方法を採用しています。地域によっては、除草を年に一度の頻度に減らすことも可能です。費用については、通常のパネル設置とほとんど変わらないケースが増加しています。

除草の頻度やタイミング

雑草の管理では、除草のタイミングや頻度は、予算に拘るのではなく、雑草の状態に基づいて決定されます。雑草は成長するにつれて丈が高くなり、茎も太くなるため、作業が面倒になる可能性がありますので、注意が必要です。雑草対策の目安としては、施設周囲の雑草が約30cmに達した際に取り組むと良いでしょう。30cm以下に維持すれば、太陽光パネルの陰を避け、発電量の低下を予防することも可能です。

春から夏にかけては、雑草の生育が活発化しやすい時期であり、除草がより必要になるかもしれません。ただし、雑草は刈り取られることで増殖する性質も持っているため、頻繁な除草は雑草の増加やコスト上昇につながる可能性があります。そのため、雑草が30cm未満に抑えることを基準にするといいでしょう。

自力除草と外注除草どちらがいいのか

雑草の対策には、自己で行う方法と外部に委託する方法があります。それぞれの手間と費用を理解し、比較検討して適切な選択をする必要があります。自己で雑草を取り除く方法や外部委託の雑草対策には、どのような手法が存在し、手間と費用はどれくらいかかるのかについて説明します。

自力除草の方法と費用

最初に、自分で雑草を取り除く際の手間と費用について説明します。自己で行える雑草対策には、雑草を抜くことや草刈り機、除草剤を利用する方法などがあります。広さが狭く、1年に4回ほど草刈りを定期的に行う時間がある方であれば、自分での雑草除去も可能かもしれません。ただし、草刈り機を使用する際には、ケーブルの切断や機器の損傷に気を付ける必要があります。

また、未熟な作業では怪我をしやすいため、回転刃よりもナイロンカッターを使用するなどの配慮が必要です。除草剤を使用する場合も、周辺への影響を考慮する必要があります。特に、近隣に農地や井戸がある場合は細心の注意が必要です。自己で対処する場合は、草刈り機や除草剤の実際の費用のみで済むため、外部委託よりも経済的です。ただし、雑草取りの手間や時間がかかるという点は欠点といえるでしょう。

外注除草の方法と費用

太陽光発電において、発電効率を維持するためには、雑草による日陰を防ぐ対策が必要です。雑草がパネルの裏側に損傷を与えて故障につながることもあります。雑草の駆除には、刈り取りや除草剤の利用、防草シートの設置、砂利やコンクリート敷き、高い架台の設置などがあります。除草の費用や頻度、利用形態による契約内容などを確認したうえで、適切な雑草対策を行ってください。除草の費用を節約することも可能ですが、危険を伴い逆に被害を招く可能性もあるため、注意深く対応しましょう。

太陽光発電の除草費用を少しでも安くする方法とは?

雑草問題は長年にわたり取り組まれているため、その解決には相当な費用が必要です。費用の総額は20年間にわたる固定価格の取引期間を考慮すると、かなりの金額になります。費用を削減するためには、「自己で対処する」方法が最も効果的です。例えば、雑草を手作業で取り除けば無償です。また、1〜3万円程度で草刈り機を購入し、その他に燃料代や草の処分費用、発電所までの交通費などが必要です。

除草剤の散布や防草シートの設置、砂利敷きも、自分で作業すれば材料費のみで済みます。コンクリートの作成は少々難しいかもしれませんが、不可能ではありません。ただし、共通の欠点として「労力が必要」「時間がかかる」「トラブルの原因となる可能性がある」ということが挙げられます。

太陽光発電の除草を行う際の注意点は?

自身で太陽光発電システムの除草を行う場合には、慎重さが求められます。万が一の場合、費用だけでなく大きな損失を被る可能性もありますので、リスクや状況をよく確認し、注意深く作業を進めましょう。

素人が除草を行うことで危険が生じることがある

草刈り機を使用する際、地面に存在する小さな石が機械の刃に当たり、機器を破損させる可能性があります。同様に、草刈り機がケーブルを切断するリスクも考えられます。これにより、高価なケーブル代に加えて工事費が発生し、発電量の損失が発生する可能性があります。また、ケーブルの切断は感電の危険性があるため、非常に危険です。草刈り作業は、シルバー人材センターなどを活用することもできますが、専門家ではないため、絶対的な安心は得られないかもしれません。

除草剤は、植物の種類によって効果が異なりますし、周囲に井戸や農地がある場合には問題が発生する可能性があります。液体の除草剤を斜面にまくと、流出してしまい、除草の効果が得られなくなるだけでなく、近隣住民に迷惑がかかる可能性もあります。そのため、除草剤の適切な種類や散布方法についての正しい知識が必要です。


貸借の場合は原状回復が必要な可能性がある

太陽光発電の土地を借りている場合、契約満了後には面積を元の状態に戻す必要があることがあります。コンクリートを設置した場合、元の状態に戻すことが難しく、処分費用が高額になる可能性があります。砂利は、時間が経つと土壌と混ざり合い、完全に取り除くのが困難になることがあります。賃借の場合は、契約内容を注意深く確認し、元の状態に戻す対策を講じることが重要です。

まとめ

太陽光発電事業で安定した収入を確保するためには、定期的な雑草対策や除草作業が重要です。自分で作業することもできますが、広い土地や時間の都合がつかない場合は外部に依頼することをおすすめします。手間を省いて、安定した発電量を確保したい場合は、外部業者に依頼することが良いでしょう。また、新しい物件を購入する際には、土地の雑草状況も確認しておくことで、より安定した収入を得ることができます。

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